葬儀は誰のためにするのか。
もちろん亡くなった故人を弔うためにする。
もう一つは、大切な人を喪った人たちが心の整理をするためだ。
死と向き合い、喪ったことを受け入れる時間と別れをする場として必要なのだ。
もし自分の大切な人が
「死んだら誰も呼ばず、火葬して骨はどこかに撒いてしまってくれ」
と言ったら困惑する。
手を合わせて冥福を祈る場所もない。
喪った心のまま、永く引きずっていかなくてはならない。
遺された人にそんな思いをさせて旅立っていいのだろうか。
孔子は一生を通じて持つべきことは「恕（じょ）」と言った。
恕とは「思いやりの心」と解釈する。
そして孔子は引き続きこう言った。
己の欲せざるところ 人に施すことなかれ
自分がしたくないこと、されたくないことは、人にしてはいけない
自分の葬儀をきちんとやってくれ、ということは決して迷惑なことではないと信じてほしい。
株式会社ヨコカワ 横川英士
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